為替の動向 - 今週(1/30〜)の注目ポイント

  「FOMC」1月31日~2月1日 開催予定、「雇用統計」「ISM指数」など、今週は米国で重要なイベントと指標が目白押しである。FOMCでは「0.25%利上げ 、政策金利の誘導目標を4.50~4.75 へ引き上げ」が見込まれている。昨年12月FOMC時点の23最終金利は5.125 だった。FRBは「利上げペースを減速させる」という点において  関係者の意見が一致しつつある印象を受けるが、高インフレを抑制するため「より長期的」「より高い水準」など 言及し、タカ派姿勢を維持している。これは、ちょっとでも「もう直ぐ利上げはやめるかも」と匂わすと、市場が都合よく解釈して株価が上がったり 長期金利が下がったり…    金融引き締め効果が減退すること、インフレをコントロール出来なくなることを 恐れているためと推察される。カナダ中銀のように「利上げ停止」について 何らかのサインは出さず、「インフレとの対決姿勢を示し、景気を多少犠牲にしてでも 物価を安定させることが最優先」と、強調するのではないか。重要指標については 以下などを見極めたい。

 先週発表された「新規失業保険申請件数」は 市場予想比 減少した。世界が最も注目する「雇用統計」で、労働市場の強さ・賃金インフレが 改めて確認されるか? 「ISM指数」で、景気の後退・インフレ圧力の低下が確認されるか? 

 ◇注目の米経済指標

 最後に、今後 注目が集まりそうな「日銀新総裁人事」について簡単に考察してみる。

 ①有力候補 

 雨宮現副総裁・中曽前副総裁・山口元副総裁の日銀出身者3名。

 ②新総裁の金融政策運営 

 黒田総裁ほど「大規模金融緩和」に固執せず、より柔軟な政策運営を模索するのではないか。岸田政権も「脱・アベノミクス」、過度な円安 や 家計・企業・金融機関などへの悪影響に配慮することを望んでいるようにみえる。先ずは「マイナス金利政策 (短期 -0.1%) の解除」「10年国債の 利回り目標の拡大・撤廃」などが考えられる。一方「2%のインフレ目標」は、直ちに撤回する可能性が低そう。理由は、1月18日に日銀が公表した「物価の上昇率見通し」が23年度 1.6%、24年度1.8%だったこと。 本当にそうなるか分からないが… 目標の未達が続く限り、日銀は金融緩和の維持を正当化できる。柔軟さを持ちつつも、金融緩和の持続的効果を図りたい のではないか。

 ③候補者のスタンスとドル円への影響 

 ハト派から タカ派の順に、雨宮 ⇒ 中曽 ⇒ 山口。雨宮新総裁となれば「円安」、山口新総裁となれば「円高」に振れる可能性がある。

 

作成日:2023/01/30
  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
Allears オールイヤーズ事務局で作成した記事です。