【為替】 - 先週の動きと今週の見通し(7/25) 26-27日予定のFOMCに注目
1)先週の主な動き(週間レンジ:135.57 - 138.88円)
[週前半]
先々週15日に発表された「7月ミシガン大学消費者信頼感指数」の期待インフレ率 (5年先) が2.8% (6月3.1%) だったこと、同日行われた講演で ボスティック・アトランタ連銀総裁が
「0.75%は、過去の経験に比べて非常に大きな利上げである。」「急激すぎる行動は、他の事象を損ないかねない。」と 述べたことなど受け、7月FOMCでの「1.0%利上げ」の 織り込みが後退した流れが継続、「ドル高 (円安)」一辺倒は 小休止となり138円を挟んで推移した。
[21日]
日銀は「短期金利を マイナス 0.1%、長期金利を0% 程度 (0.25%が上限) に誘導する 現在の金融緩和策の維持」を決めたが 、市場の反応は限定的だった。 「経済・物価情勢の展望レポート」では 物価の見通しが、2022年度 2.3%(4月時点 1.9%)、2023年度 1.4% (4月時点 1.1%) へ 引き上げられた 。続いてECBが2011年以来となる政策金利の引き上げ (0.5%、マイナス金利脱却) とEU加盟国、特に、高債務国の国債利回りが過度に上昇するのを防ぐための新たな措置 (TPI、Transmission Protection Instrument) の導入を決定すると 、ユーロ買いに連れて ドル円は 一時 138.88円まで上昇した。しかし、米国時間に入り 冴えない 経済指標の結果 や バイデン大統領が新型コロナに感染したことなどが伝わると、「米 長期金利」の低下とともに137.30円まで値を下げた。
[22日]
S&Pグローバルが発表した「米 7月 サービス業 PMI (速報値)」が47.0と、好不調の境目とされる50を割り込み、米国景気の先行き警戒感から「米 長期金利」が更に低下、ドル売りが膨らんだ。サービス業 PMI は2020年5月以来の低水準で、一時、135.57円をつけた。先週「過度なインフレ や 金融引き締めは 米国経済にとってマイナスであり、今後、FRBの利上げペースが減速するなど考えられるが、そうなる場合も もう暫く時間がかかりそう。」と書いたが早速、経済指標に悪影響が出始めた格好 (勿論、上記PMIだけで 景気判断されるものではないが)。NY終値 136.00-10円で越週した。
2)今週の注目ポイント
今週はなんといっても7月26-27日に予定されるFOMCが注目される。
「米6月消費者物価指数」の上振れを受け 、一時「1.0%利上げ」の 織込みが進んだが、市場では「0.75%利上げ」が見込まれている。尚、最近、主要国中銀は 大幅利上げを 当たり前のように実施しているが「0.75%」は 通常の3倍である。やはり「一段の賃金上昇 と 物価目標 実現のため 緩和を続ける。利上げは 全くない!」と言い切る黒田日銀との方向性の違いが際立つ。140円こそ 少し遠のいたが、130円まで 円が買い戻されても20年ぶりの「円安」水準である。今週も「米 4-6月期 GDP (速報値)」が弱いとドルの上値が重くなりそうだが、基本は もう暫く「円安」傾向が 続くとみている。あと、FRBの 今後の「インフレ見通し」「利上げ方針」なども気になる。パウエル議長の記者会見に注目したい。