老後の資産形成に必要なこと

 老後の資産形成については、多くの人が関心を持っていると思います。以前、金融庁の報告書がきっかけに「老後資金として2,000万円が必要」が話題になったことがありました。この話題が広がったのも、多くの人が老後の資金に関心を持っていることを示しています。

 では、老後の資金をどのように作っていけばよいのでしょうか。

 老後の資金としては、①公的年金、②退職金、③金融資産(預貯金、株式等)、④給料が主なものとして考えられます。

 ①公的年金は国の制度であり、②退職金は勤務する企業次第なので、個人で努力できる部分は少なく、④給料は、高齢者になるとなくなるか大幅に減るのが普通です。

 老後の資金形成において、自分の努力で大きく変わる部分は、③金融資産の形成だけです。なお、公的年金は、高齢化社会となる今後は実質的に切り下げられる可能性が高く、公的年金だけで経済的に豊かな生活を送れる時代は過去のものになりつつあります(ご自分がいくら貰えるかは試算することをお勧めします)。

 老後の資金が2,000万円で足りるかは人それぞれですが、2,000万円を65歳時点で貯めるためにはどうしたらよいでしょうか。

 現在のゼロ金利政策の環境下においては、預金によって2,000万円の資産を形成するためには、35歳から65歳まで毎月約55,500円の預金をする必要があります。

 しかし、35歳から65歳まで、年利3%の金融商品で複利運用すると、毎月34,300円程度の積立てで良いので、預金と比べて、1ヶ月で約20,700円も少なくてすみます。ちなみに、毎月55,500円を積み立てて、年利3%で運用すると30年後には32,341,897円となり、預金する場合と比べて1.6倍も多い資産を形成できることになります。

 年利3%という利回りは、高いリスクがない金融商品でも実現可能な利回りです。低成長の日本だけ見れば高いように見えるかもしれませんが、広い世界を見渡せば十分実現可能な利回りです。例えば、米国株式(S&P500株価指数)の過去30年の平均利回りは配当を除いても年約8.4%です。

 したがって、老後の資産形成をするにあたっては、少額でも良いので長期的にコツコツと積立ていくことが重要です。

 銀行に預貯金を寝かせるのは、リスクを取らないという判断したのであれば別ですが、単に無知なだけだとすると非常にもったいない話です。

 最近では、NISAやiDeCoといった税務面で優遇されている積立方法もあるので、それらを活用すると、より多くの資産を形成することができます。

作成日:2022/06/01
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Allears オールイヤーズ事務局で作成した記事です。
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